3DS

更に確実な予防システム

砂糖の入っているお菓子や飲み物を摂取していても、すべての人のすべての歯にムシ歯が生じるわけではありません。 ムシ歯菌がいない人の場合にはムシ歯は発生しません。 

ムシ歯菌の量には個人差があります。ムシ歯菌は、幼児期に母親や近親者から感染するといわれています( 母子感染 )。 

そして、その時に感染した細菌のパターン(構成比率)は一生変わりません。 
3DSという新しい予防方法は、ムシ歯菌のいないパターンにつくり変え、ムシ歯の発生を元から断ちます。 

ムシ歯の原因菌であるミュータンスレンサ球菌だけを取り除き、無害な細菌のパターンに変えるという画期的な新しい予防システムです。 

ムシ歯がいなくなる?

ムシ歯菌を除菌する前の状態です。 多数のムシ歯菌がみられます。

ムシ歯菌を除菌した後の状態です。ムシ歯菌の減少がみられます。

ムシ歯は感染症です。一度ムシ歯菌が住みついてしまうと、除去はなかなか困難です。そして、その結果としてムシ歯の発生・再発に悩まされることになるのです。

そこで、今回ご紹介させていただく方法は,安全かつ確実にムシ歯の菌だけを取り除き、お口の中の環境をムシ歯になりにくいものに変えるという、まったく新しい方法です。

ムシ歯の菌は、歯の表面にしか生息できません。一次的に歯の表面から除去してもまた歯の表面に戻ろうとします。そこで3DSを実施すると、歯に害のない良い菌が歯の表面を覆って、ムシ歯菌が再付着できないようにするのです。これによりムシ歯を防げるばかりか、最近問題とされ老年期における誤飲性肺炎などの細菌による感染症の予防にも有効な手段の一つであると期待されています。

上の図は、唾液検査 によって3DSの効果を判定した結果です。

左のグラフは、3DSによるムシ歯菌(ミュータンスレンサ球菌)の変動を示したものです。

32歳女性の実際の例で、唾液検査により1ml中に30万ものMS菌が発見されました。

未処置のむし歯がたくさんあり、応急処置をしたあとで3DSで除菌しました。

1週間後にMS菌は1,230個に急減し、現在のところ6ヶ月以上経過しておりますがその状態がつづいております。

その間多少の増減がありましたが、6ヶ月目での検査ではMS菌の数は5,100個でした。

3DSを行うことにより、通常のブラシングを続けているだけでムシ歯菌の少ない状態が長期間維持されます。

一般的にこの効果は2~6ヶ月持続されると言われていますが、現在のところ記録をまだ更新中です。

※ ムシ歯のリスク判定について

3DSの適応症

どんな患者さんに適用すべきか

1.う蝕が多発傾向の患者さん

A.これまでにう蝕で苦しめられてきた患者さん B.う蝕の既往歴がおおい患者さん(DMFT指数が6以上) C.歯冠修復などの2次カリエスが心配な患者さん

2.細菌検査(唾液検査)の結果、ミュータンスレンサ球菌の比率が高い患者さん

総レンサ球菌に占める比率が0.5以上の患者さん

3.これから歯がはえてくるお子様が周囲におられる方

とくに母親で、自分自身う蝕が多い方

4.これから矯正装置を装着する患者さん

長期間歯口清掃が困難になることが予想される場合

母子感染

・ムシ歯になりやすい体質は、後天的に親から子供に受け継がれていきます。

う蝕になりやすい大人になるかどうかは、幼児期にどんな菌叢を周囲の大人から受け継ぐかで決定されます。個人の持つ固有の菌叢はそれぞれ異なり、う蝕菌比率も個人に固有のものと考えられています。

う蝕菌のうち特にミュータンスレンサ球菌は、歯牙が萌出するまでは口腔内に存在しません。
ミュータンスレンサ球菌は歯牙の上でしか棲息できない細菌であるために歯のないところでは生きられないためです。 
生後19ヶ月から31ヶ月の間に萌出したばかりの歯牙の表面に現れて定着します。
これは周囲の大人の口腔からスプーンなどを介して幼児の口腔内に移植されて感染した結果です。

この時期に感染する機会がなければ、それ以後は感染する可能性はなくなります。
なぜなら、一旦完成した個人に固有の細菌叢のバランスは容易にくずされることはなく、後からミュータンスレンサ球菌が進入してきたとしても受け入れられて定着することはないからです。

個人が固有の口腔内細菌叢を獲得する時生後19ヶ月から31ヶ月

この間に個人に固有な口腔内細菌叢のパターンが形成され、それは一生を通じて変わることはないといわれています。 したがってその中に有害なミュータンスレンサ球菌をふくむか含まないかは、この時期に決定されます。

3DSの流れ

1.細菌検査
唾液を採取し,お口の中のムシ歯菌の数を調べます。

2.準備
除菌のための準備をします。お口全体の型をとり,リテーナーの準備をします。

3.準備
通常のPMTCを行います。

4.準備
リテーナーにて,抗菌剤・フッ素に塗布を行います。

5.ホームケア
自宅にて,ホームケアを実施していただきます。期間は,1週間以上が理想です。

6.細菌検査
除菌効果の確認のため,次回の定期検診の前に唾液を採取しムシ歯菌の数をしらべます。

7.定期健診
通常のクリーニングを行います。仕上げに,リテーナーにて除菌操作を行います。

唾液検査

唾液検査とは

ムシ歯は感染症です。ムシ歯の予防と治療のためには、目に見えない細菌の情報を得て対策をたてるために検査が必要です。

何故唾液を調べるの?

(1) 唾液にはムシ歯のつくった酸を薄めて弱める作用があります。 ・唾液の少ない人、酸を薄める力の弱い人は要注意です。

(2) 口の中のムシ歯菌の量は人によって違います。 ・ムシ歯菌の多い人は要注意です。

※リスク判定をし、自分の口の中の細菌数を知ることにより、より確実な予防が可能になります。

リスク判定

唾液を採取して検査後、検査会社から、このような検査報告書が送られてきます。個人個人のムシ歯菌の正確な数値が示されています。 その他にも、8種類のリスク要素についてその危険度がグラフで分かりやすく表示されます。
現在のお口の状態を知り、将来の予測をたてる上で役立てることが出来ます。

【カリエス検査報告書の見方】
(1) 患者さんの識別表示欄
(2) カリエスリスクの大小
(3) カリエスリスクをレーダーチャートで表示

カリエス検査報告書の見方
(1) まずトータルリスクに注目
・ 10以下を目標とする

(2) 次ぎにう蝕菌比率に注目
・ 0.5 以下を目標とする >> う蝕のリスク判定

(3) ハイリスク項目
・ ハイリスク項目のうちで改善できる項目について具体的な対策を考えて実行計画をつくる

SM菌(ストレプト・コッカス・ミュータンス)です。主に、ムシ歯の原因菌です。


(下)LB菌(ラクトバチラス)です。ムシ歯の進行を助長します。

う蝕のリスク判定

【ムシ歯になりやういかどうかを判定する】
世の中にはムシ歯(う蝕)になりやすい人と、なりにくい人がいます。
どんなに甘いものを沢山食べても、そんなに歯を磨かなくても、ムシ歯にならない人がいます。 また、その逆の人も沢山います。その違いはどうして出来るのでしょう。

ムシ歯ができるためにはいくつかの条件があります。それを調べるとムシ歯にかかり易い人かどうかを判断することができます。

ムシ歯になり易い条件を多く持っている人はその条件をすこしでも改善することができれば、ムシ歯の脅威から逃れることができます。ムシ歯のリスク判定はその後のムシ歯予防の対策を考える上で大変役に立ちます。

ムシ歯の危険度を判定するための8つの要素

(1)ムシ歯の経験
過去にムシ歯が沢山できて治療した経験のある人は、治療しただけで原因となる条件を変えてなければ、これからもムシ歯になる確率は高いと判断します。

(2)プラークの量
プラークが沢山ついたまま放置している人少ない人よりもはムシ歯になる確率が高くなります。

(3)ミュータンス菌の数
ミュータンス菌はムシ歯をつくる主役です。この菌が多ければ危険です。 数の大小には個人差があります。その差は幼少時に決まります。

(4)乳酸桿菌の数
乳酸桿菌もムシ歯をつくる上では準主役級です。乳酸をつくって歯を溶かします。

(5)唾液の量
唾液は細菌が作り出した酸を中和して洗い流します。唾液の量が多い人は ムシ歯になりにくいのです。5分間に分泌する唾液の量で判定します。5mml 以下は危険です。

(6)唾液の酸性度
唾液の酸性度は唾液が細菌の作り出した酸を中和する能力に関係します。 酸性に傾いているほど危険です。

(7)フッ素の使用状況
フッ素は酸に強い(溶けにくい)歯をつくります。また、ミュータンス菌の繁殖を抑制します。 

(8)1日の飲食回数
間食を頻繁にする人はムシ歯菌への栄養補給と細菌が酸をつくるための材料を頻繁に補給することになるので危険です。

虫歯予防

歯を磨くだけが「予防」ではありません。
現代の歯科医療が目指す「予防」は、お口の条件をととのえて虫歯にならないようにすること、よく手入れされた健康な歯肉を保つことです。
虫歯も歯周病も「生活習慣病」といわれています。虫歯になった歯を治療しても、原因を取り除かずにそのまま放っておいたら、また同じところが虫歯になります。歯周病も、生活習慣を改め、定期的にプロのクリーニングを受けて、原因除去に努めなければ、再発を繰り返してしまいます。

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